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不動の1番バッター、野田大空に迫る。

  • お好み焼き好太郎
  • 2018年12月11日
  • 読了時間: 4分

始まりました、鯉党による、誰かのための、きっとどこかで役に立つ筈の、部員紹介!!!

今回は、鯉党のリードオフマン、野田大空君について、紹介していきたいと思います。

その類稀なバットコントロールでどんな球も外野へ運び、出塁したらすぐさま盗塁でチャンスを作り、俊足を生かした走塁で一気に本塁生還・・・。

それがトップバッターとしての資質。

野田はまさに、それにぴったりの選手である。

通算打率は三割六分九厘、安打数は861、盗塁数は201、得点は625と、どれもチーム1の成績だ。

好きな歌手は野田洋次郎。

人望も高く、主将を務める野田の心は、その名の通り大空のような広さであった。

春、新入生が入って間もない頃。

練習帰り、野田は家の方角が同じ堀江亮太と西川諒と共に歩いていた。

堀江と西川がふざけて硬球でキャッチボールをしていたその時、事件が起きた。

西川の投げたボールが大きくそれ、堀江がジャンプして取ろうとしたが届かず、その勢いで駐車場に止めてあった黒塗りの外車にぶつかってしまった。堀江が慌てて立ち上がると、黒塗りの車体には、大きなへこみが出来ていた。

堀江「ど、どうしよう・・・。」

西川「これやばいんとちゃうか!?」

高級車らしきものに傷をつけてしまって恐怖の色が隠せない下級生二人を見た野田はこう言った。

野田「お前らはもう帰れ。俺が何とかするから。」

西川「せ、先輩!」

堀江「で、でも傷をつけたのは僕です!なのになぜ先輩が!?」

西川「そうですよ!」

野田「お前らはまだ入学して間もない。なのにいきなりこんな目に遭ったら後々面倒なことになる。ここは俺が責任取るから。大丈夫。」

堀江、西川「・・・。」

野田「さっさといけ。先輩の言うことは?・・・はい、だろ!」

堀江、西川「ハイッ!ありがとうございます。絶対にいつか恩返しします!」

タッタッタッタッタ・・・。

二人が去ったその直後、車が停めてある建物から、顔がにゃんちゅうそっくりで、スーツを着てサングラスをかけた男が出てきた。車の持ち主だろう。

その車の持ち主であろう人物が近づいてくると、野田に声をかけた。

男「どうしたのだい?そこの君。」

野田「すみません!自分は鯉党高校2年の野田大空です。先ほどこちらの不注意で、この車に傷をつけてしまいました!本当に申し訳ありません!」

野田は深々と頭を下げた。

が、しかしその男は、怒るどころか声を出して笑った。

男「なんだ、そんなこと気にせんでええよ。君は実に誠実な男だ!いやぁ~感心したよ。」

野田は不意な言葉に戸惑った。

野田「で、ですが自分は車を」

男「いいんだよそんなこと。あっ、私はこのようなものです。」

野田は手渡された名刺を読んだ。

そこには、「NEKONOHITAISPOET(猫の額スポーツ)社長 猫田太郎」と書いてあった。

野田「NEKONOHITAISOPRTって、あの?」

社長「そうだ。私がそこの社長だ。君は野球部かね?」

野田「はい。」

社長「そうか、丁度良かった!手元に新作のグローブがあるんだ。君に進呈するよ。君は右投げかい?それとも左投げかい?」

野田「え、いや、そんな物、自分みたいな者が受け取っていいものではありません。もっと上手い人に!」

社長「上手下手じゃないんだ。結局はココなんだよ、君。」

そういって社長は自分の胸をぽんぽんと叩いた。

野田「・・・本当にもらってもいいのですか?」

社長「もちろんだよ。私はね、君みたいな誠実で思いやりのある人に使って欲しいんだ。例え野球が上手くて、プロからも注目されるような球児でも、思いやりのないような人には使って欲しくない。実を言うと、君と後輩たちのやりとりは全部見えていたんだよ。だから君なんだよ。」

野田「ありがとうございます。とても嬉しいです。でも、自分は大丈夫です。今使っているのがあるし、とても気に入っているんです。猫並みフィールディング0.8というグローブです。とても使いやすいんですよ。」

社長「それはわが社の商品じゃないか!それならいいや。もうすでに私達が作ったグローブが君に使われているんだから。」

野田「すみません、一つお願いがあります。」

社長「なんだい?」

野田「自分は発展途上国へボランティアで行った事があるんです。そこでは、布を丸めたボールとそこら辺から拾ってきた木材で野球をするんです。自分は、日本はとても恵まれた環境なのだと感じました。でも、この国の子供はちゃんとした環境で野球が出来ない。そりゃあ日本対発展途上国の親善試合が20-0みたいなスコアになるはずですよ。発展途上国で野球をする子供達に野球用具を無償で送って下さいませんか?野球の世界中での発展のためです。お願いします!」

社長「う~ん。・・・分かったよ。検討しておくよ。それにしても、君は善意の固まりだなぁ!」

野田「あ、ありがとうございます!」

社長「それじゃあ、頑張ってね。君はベストオブ野球だ。」

野田「ありがとうございました。さようなら。」

社長「はい、さようなら。」

ちなみに野田は、社長がどういう意図でベストオブ野球といったのか、いまだに理解できていない。

次回 阿久津ってなんかインパクトある名字だよね。


 
 
 

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